前回記事の続きです。
今回もエアインダクションシステムのエアカットバルブ側のメカニズムに関する記事を書いています。
エアインダクションシステム(AIS)を採用している車種の多くは、前回までにも書いたように、インシュレーター内に負圧がかかった場合は、その負圧をインシュレータニップル⇒AISのエアカットバルブに伝えて、エアクリーナーボックスからの空気(大気)を遮断して、AISから排気ポートにエアが流れないようになっています。
ちなみに、AISを採用している例としては、H10排ガス規制後の、セロー225WE、セロー250キャブ車、カワサキ エストレヤ、ホンダ FTR223、XR250、CB223S ・・・etc。
多くはインシュレータ内の負圧からAISのエアカットバルブの開閉をおこなっていますが、ホンダ車のAISは、VMキャブからの負圧も取り込んでいるようです。
今回は、ホンダFTR223のエアインダクションシステムの吸気側の負圧の取り方を調べてみました。
以下FTR223のパーツリストを抜粋します。 (図はクリックすると拡大できます。)
ホンダの場合は、エアインダクションシステム(エアインダクションシステムバルブ)のことをエアーサクションバルブと呼んでいるようです。
呼称は違っても、内部構造にエアカットバルブとリードバルブの2機構持っていることに違いはありません。
赤枠がAISです。セロー225WEは、エアクリーナーボックスとAISが直付け(リベットどめ)されていますが、FTR223はパーツリストのとおりホースでジョイントされています。
キャブレター部です。赤枠がFTR223のキャブ負圧を伝える部分です。パーツリストには、わかりやすくエアカットバルブと書かれています。
このホースの先は三つ又ジョイントになっています。
三つ又ジョイントの下にのびるホースは、下図E-1の赤枠のインシュレーターニップルです。
上図(E-16)の一番左側の黄枠。この行先が先ほどのF16図のAISバルブにホースでつながっています。
ようは、インシュレーター内の負圧(インシュレーターニップル)とVMキャブレターの負圧の双方を利用して、AIS内のエアカットバルブを開閉しているようです。
排気ポートに関しては、E-1図の青枠のところです。青枠から図F-16のAISにホースがのびています。
ここからも、AIS内のリードバルブから排気ポートへエアが流れる仕組みも、他車種と全く同じだとわかります。
さて何故ホンダ車は、エアカットバルブの制御をインシュレーター負圧以外にもキャブの負圧を利用しているのか?
ここからは推測ですが・・
・スロットル開閉に連動したキャブ内の圧力変化(ベンチュリー圧力)を取得しやすい(スロットル直後の負圧等)。 この負圧は微細な変化をすばやく反映できる。
・インシュレーターからの負圧は、減速時などの高負圧状態(スロットル閉時)に顕著に現れる、かつエアカットバルブを強制的に閉じることで、バックファイア及び減速時のアフターファイアを抑制。
よって、両方の経路を接続して、それぞれ異なる条件での負圧変化をうまく使い分けて、エアカットバルブの開閉をより正確にコントロールしているのではないか・・。
*キャブレター車におけるエアインダクションシステム(AIS)の説明です。いずれにせよ、このような構成は「排出ガス対策としてのAIS制御の最適化」のために意図的に設計されたものなのでしょうね。(^_-)-☆
しらんけど。
さて、次回はエアインダクションシステムにおけるもう一つの重要な役割を持つ排気側のメカニズム(リードバルブ周り)のお話です。
もう誰も読んでくれていないと思うけど・・。
いいんです。自分の理解を深めるためでもあるので・・(^^;
-続く-
しらんけど。
さて、次回はエアインダクションシステムにおけるもう一つの重要な役割を持つ排気側のメカニズム(リードバルブ周り)のお話です。
もう誰も読んでくれていないと思うけど・・。
いいんです。自分の理解を深めるためでもあるので・・(^^;
-続く-
各社エンジンが発生する負圧だけでエア流入バルブを最適にコントロールすべく工夫してるんですね。
平成10年というと1998年、私のSRVは1993年式なのでこの排ガス規制のちょっと前ということも分かりました。
中古車としてメンテするには排ガス規制前の方が分かりやすくて良さそうですね。
michiru_photo
が
しました