詫間海軍航空隊 「滑走台(スリップ)埋立問題」の最終編です。
この記事を読まれる方は、本ブログのカテゴリー「詫間海軍航空隊 滑走台(スリップ)埋立問題」に収めている過去記事もあわせてお読みいただけると幸いです。
簡単に今までの記事をまとめます。
1.詫間海軍航空隊とは
この記事を読まれる方は、本ブログのカテゴリー「詫間海軍航空隊 滑走台(スリップ)埋立問題」に収めている過去記事もあわせてお読みいただけると幸いです。
簡単に今までの記事をまとめます。
1.詫間海軍航空隊とは
第二次世界大戦時、ここに日本海軍の水上機の一大作戦基地 ”詫間海軍航空隊” が設けられ、大戦末期の沖縄戦においては、「こんな飛行機で本当に特攻出撃したのか?」と思われるような偵察機として使われた古い水上飛行機で特攻作戦が実施され、この場所から飛び立った多くの若者が散っていきました。
しかしながら横穴式防空壕と、水上飛行艇の離発着に使われた大艇用3基と小艇用1基の計 四箇所のスベリ(滑走台/スリップ)が現存しています。
3.滑走台(スリップ)の埋立問題
上記に「大艇用3基と小艇用1基の計 四箇所のスベリ(滑走台/スリップ)が現存しています。」と書きましたが、現地に行ってみると このうちの1基が埋め立てられ、民間企業(工場)K社の積出桟橋として利用されていることが判明したのです。
1)問題点その1
この詫間海軍航空隊航空滑走台(スリップ)は、2006年(平成18年)度 公益社団法人土木学会が選奨した「土木学会選奨土木遺産」になっています。
土木学会選奨土木遺産とは、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的としたもので、特にこの詫間海軍航空隊航空滑走台(スリップ)の解説には次のように記されています。
「当地は神風特攻隊出陣の地としても知られ、航空隊基地跡の碑石整備(2000年)などこの地の歴史を真摯に見つめ直す動きが近年活発である。そして2006年には選奨土木遺産というもう一つの観点からこの地を再考する動きがあった。施設整備を可能とした自然地理的条件と、呉軍港への近接性という社会的背景からその成立の系譜を客観的にとらえ直すことの意義も大きい。このことは、国防遺産や軍事遺産に対するもう一つのアプローチが可能であることを示唆している。」
このように残すべき歴史的遺産を一企業の便宜のために埋立していいものか!?
2)法律的問題
前回記事ですでに書きましたが、本件に関して現状確認するため、施設管理者(香川県)の出先機関の香川県西讃土木事務所に問合せしました(5/16)。
この時点で判明したこと。
・埋立地の施設は県の所有物で、使用しているK社からは三豊市を通じ使用料を徴収している。
・土木遺産の事は薄々しか知らなかった。
これらの回答を得られたので、さらに下記の回答を求めました。
①滑走台(スリップ)はいつ、どういう経緯で埋められたのか?
②滑走台(スリップ)を県は「海を埋めたてた」という認識なのか? 再度確認するが この施設は「行政財産」なのか「普通財産」なのか?
(補足)
実はここが一番キーになります。 詳しくは後述します。
3)県からの最終回答(5/27)
(1)埋立の経緯
県)昭和48年公有水面埋立法に基づき、本埋め立て工事を行った。
私)公有水面埋立法に則った工事ということは、滑走台は海という認識で工事を行ったという事で間違いないですね。
県)はい。その当時の県港湾施設担当と国とのやりとりの資料の走り書き的なものに、「”海の岩礁”という事で処理(埋立)」との記述もありました。
県)その後昭和60年、土地を詫間町(現三豊市)とK社に売却し所有権移転し、県は上物の施設を所有という形で現在に至っています。
私)昭和48年の埋立時 この土地は行政財産だったんですか?普通財産だったんですか?
県)埋立当時は行政財産です。
私)行政財産なら売却できないですよね。
県)はい。なので所有権移転する際に普通財産にして売却しています。
↑
やはり!! 県の担当者の方は、ちゃんと事務手続きできているので、問題ないでしょうという口ぶりでしたが、これでは一企業の便宜供与のために国民全体の公共財産をたたき売りしていると言われても仕方ないのではないでしょうか!!
↓
私)それはおかしいでしょう! 問題じゃあないですか!? 公有水面埋立法に基づいた埋め立て工事ですよね。 その際計画書を国に提出して認められたものですよね。 行政財産として認められた工事であるなら、計画書に書かれたその施設の利用目的は公共性がうたわれていたんじゃあないですか。
計画書に、一企業のための”物揚げ場”施設の為の埋立工事なんて書いて、行政財産が認められるとは思えません。
また仮に一般公共のための施設を普通財産にして売却する過程において、一般競争入札等の適正な手続きが行われているとも思えませんが・・。
県の担当の方が黙られてしまいました・・(^^;
実は、このやりとりをする前から”行政財産”と”普通財産”の扱いには注視していました。
県と国は、この滑走台を”海の岩礁”として取り扱い、行政財産として埋立工事をおこなっています。
その事自体に違法性はありませんが、国に申請した公有水面埋立法に基づく申請書には、一企業(K社)の物揚げ場の為の埋立工事を書かれていない事が想像できます。
そしてその後に、強引に行政財産から普通財産に替えたということは、この埋立工事そのものが、一企業の便宜供与であったと思われても仕方ありません。
埋立工事費用等を公的資金で賄ったと見られても仕方ありません。
企業誘致の際の便宜供与なのとも・・。
3.滑走台(スリップ)の埋立問題
上記に「大艇用3基と小艇用1基の計 四箇所のスベリ(滑走台/スリップ)が現存しています。」と書きましたが、現地に行ってみると このうちの1基が埋め立てられ、民間企業(工場)K社の積出桟橋として利用されていることが判明したのです。
1)問題点その1
この詫間海軍航空隊航空滑走台(スリップ)は、2006年(平成18年)度 公益社団法人土木学会が選奨した「土木学会選奨土木遺産」になっています。
土木学会選奨土木遺産とは、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的としたもので、特にこの詫間海軍航空隊航空滑走台(スリップ)の解説には次のように記されています。
このように残すべき歴史的遺産を一企業の便宜のために埋立していいものか!?
2)法律的問題
前回記事ですでに書きましたが、本件に関して現状確認するため、施設管理者(香川県)の出先機関の香川県西讃土木事務所に問合せしました(5/16)。
この時点で判明したこと。
・埋立地の施設は県の所有物で、使用しているK社からは三豊市を通じ使用料を徴収している。
・土木遺産の事は薄々しか知らなかった。
これらの回答を得られたので、さらに下記の回答を求めました。
①滑走台(スリップ)はいつ、どういう経緯で埋められたのか?
②滑走台(スリップ)を県は「海を埋めたてた」という認識なのか? 再度確認するが この施設は「行政財産」なのか「普通財産」なのか?
(補足)
公有財産は、行政財産と普通財産に分類されます。
行政財産は、公共団体の庁舎等の公用財産と河川・港湾施設等の公共用財産にわかれます。
普通財産とは、行政目的に使用しなくなった庁舎や、旧軍の財産他。
地方自治法によると、行政財産は民間企業に貸し付け等は行えず、貸付できるのは普通財産に限られています。
↑実はここが一番キーになります。 詳しくは後述します。
3)県からの最終回答(5/27)
(1)埋立の経緯
県)昭和48年公有水面埋立法に基づき、本埋め立て工事を行った。
私)公有水面埋立法に則った工事ということは、滑走台は海という認識で工事を行ったという事で間違いないですね。
県)はい。その当時の県港湾施設担当と国とのやりとりの資料の走り書き的なものに、「”海の岩礁”という事で処理(埋立)」との記述もありました。
県)その後昭和60年、土地を詫間町(現三豊市)とK社に売却し所有権移転し、県は上物の施設を所有という形で現在に至っています。
私)昭和48年の埋立時 この土地は行政財産だったんですか?普通財産だったんですか?
県)埋立当時は行政財産です。
私)行政財産なら売却できないですよね。
県)はい。なので所有権移転する際に普通財産にして売却しています。
↑
やはり!! 県の担当者の方は、ちゃんと事務手続きできているので、問題ないでしょうという口ぶりでしたが、これでは一企業の便宜供与のために国民全体の公共財産をたたき売りしていると言われても仕方ないのではないでしょうか!!
↓
私)それはおかしいでしょう! 問題じゃあないですか!? 公有水面埋立法に基づいた埋め立て工事ですよね。 その際計画書を国に提出して認められたものですよね。 行政財産として認められた工事であるなら、計画書に書かれたその施設の利用目的は公共性がうたわれていたんじゃあないですか。
計画書に、一企業のための”物揚げ場”施設の為の埋立工事なんて書いて、行政財産が認められるとは思えません。
また仮に一般公共のための施設を普通財産にして売却する過程において、一般競争入札等の適正な手続きが行われているとも思えませんが・・。
県の担当の方が黙られてしまいました・・(^^;
実は、このやりとりをする前から”行政財産”と”普通財産”の扱いには注視していました。
県と国は、この滑走台を”海の岩礁”として取り扱い、行政財産として埋立工事をおこなっています。
その事自体に違法性はありませんが、国に申請した公有水面埋立法に基づく申請書には、一企業(K社)の物揚げ場の為の埋立工事を書かれていない事が想像できます。
そしてその後に、強引に行政財産から普通財産に替えたということは、この埋立工事そのものが、一企業の便宜供与であったと思われても仕方ありません。
埋立工事費用等を公的資金で賄ったと見られても仕方ありません。
企業誘致の際の便宜供与なのとも・・。
土木学会選奨土木遺産に推奨される前の工事であったのは、せめてもの救い??ですが、昭和48年~60年にこのような 重要な意義のある遺産が、企業誘致に絡む便宜供与ともとられかねない かつ、法的にも問題があるかもしれないこのような埋立て工事が行われた事は残念で仕方ありません。