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バイク/自動車用バッテリーの基本知識

バッテリーと充電器のお話「Ⅳ-5-7-4)周波数について」

前回記事の続きです。



<もくじ>
Ⅰ章 鉛バッテリーの構造
 1.バッテリーの構
造概要
 2.極版について
   1)グリッド(格子)とは
   2)活物質(Active Material)とは
 3.セパレーターの構造と役割

Ⅱ章  鉛バッテリーが劣化する原因とそのメカニズム
 
1.サルフェーション(硫酸鉛PbSO₄の蓄積・結晶化・粗大化)
   1)サルフェーションの概要
   
2)サルフェーションの発生メカニズム
   
3)電圧が高いとサルフェーションが起きにくい理由

 2.グリッド(格子)の腐食・酸化(Ⅰ章と一部重複)
   1)
グリッド(格子)とは
   2)グリッド(格子)の主な役割
   3)材質と製造技術
   4)劣化との関係

 3.活物質の剥離・脱落(Ⅰ章と一部重複)
   1)活物質(Active Material)とは
   2)活物質(ペースト)の構成と役割
   3)ペーストの組成と製造
   4)活物質の反応メカニズム(放電時)
   5)活物質の劣化
   
 4.電解液の劣化・減少(電解質劣化)
        
1)電解液とは?
        
2)劣化・減少の主なメカニズム
        
3)対策のポイント

      4)硫酸濃度(比重)がバッテリーに与える影響


 5.セパレーター劣化とそのメカニズム
   1) セパレーター孔(ポア)の詰まり(Pore Blocking)
   2)セパレーターの酸化劣化(主に正極側)
   3) セパレーターの熱劣化・熱収縮
   4)活物質の脱落によるショートリスク増大(底部堆積物)
   5)セパレーターの極板密着性の変化(乾燥化)
   6)経年劣化での微小クラック・ピンホール
   7) どの極板を袋状セパレーターで包むかは“メーカーの設計思想で異なる”
   8)まとめ:セパレーターの劣化はバッテリー寿命の“最後の砦”

 6.温度・熱サイクルによる加速劣化
   1)化学反応速度の加速 
   2)電解液の蒸散・乾燥
   3)熱膨張・収縮による機械的ストレス
   4)過充電が起きやすくなる
   5)熱暴走(thermal runaway)のリスク増加
 
 7.劣化原因から導かれる対策

Ⅲ章 国産高品質バッテリと安価バッテリーの違い
 
1.バッテリー寿命に差が出る理由<GSユアサ  vs 台湾ユアサ vs 安価な中国製>
 2.サルフェーションの基本的な進行要因
 3.互換バッテリーでも違う内部構造
 4.偽物(粗悪コピー)バッテリーに要注意!
 5.(参考)購入バッテリーの選定方法(私の場合)


Ⅳ章 バッテリー充電器の違い
 1.バッテリーにあった充電器を選ぶ
   1)車両用バッテリーの種類
   2)バッテリーの種類による充電器にもとめられる条件
     (注1)VRLA(密閉型)の過電圧によるガス発生について
     
(注2)GELバッテリーの充電電圧と充電器について

 2.スマート充電器か否か
   1)
スマート充電器とは
   2)
特徴
   3)
3段階充電(Bulk → Absorption → Float)の目的と制御

   4)バルク(
Bulk)充電
   5)吸収(Absorption )充電
   6)高品質なスマート充電器と安価なCV充電器の違い

 3.
維持充電(トリクル充電/フロート充電)について
   1)フロート充電/トリクル充電の仕組み
   2)なぜフロート/トリクルの名称があいまいに使われるのか?
   3)維持充電の図形化(例)
   4)OptiMateの維持充電について
   5)補足:維持充電時の電流について

   4.充電時の電圧について
   1)吸収充電で12.72V(理論満電)より高い 14.2~14.7V を印加する理由
   2)維持充電において、前工程の吸収電圧から13.6V前後に降下して印加する理由
   3)6V鉛バッテリーの場合の適正電圧値

 5.パルス充電について  
   1)パルス充電の目的
   2)パルス充電の基本的な仕組み
   3)パルスの効果
   4)実際の充電器ではどう使われているか
   5)パルス充電の注意点(万能ではない)
   6)概要のまとめ
   7)パルスの種類と効果について
    7-1)パルス幅について
    7-2)印加電圧について
    7-3)デューティ比について
    7-4)周波数について

Ⅴ章 その他



・・徐々に書き上げていく予定なので、”もくじ”の内容は後日修正が入る可能性があります。



Ⅳ-
5.7-4)周波数について

前回記事の”デューティ比”の項で、周波数についても少し触れました。

おさらいも含め、今回 周波数について説明します。

2025-12-19パルス幅デューティ電圧周波数関係図説明図最終版
(1) 周波数とは
 周波数とは、1秒間に何回、ON/OFF(パルス周期)が繰り返されるか。

*周波数 = 繰り返し回数 / 秒

・1秒に1回→1 Hz 
・1秒に10回→10 Hz
・1秒に1000回→1 kHz

周波数そのものは、
・電圧でもない
・エネルギーでもない
・パルス幅でもない
⇒「繰り返しの速さ」を表す“時間構造の指標”


(2)高周波パルスは、デサルフェーションに効果があるのか?

 巷には「一秒間に@@@@@回のパルス」でサルフェーションを除去できるような錯覚を招く謳い文句のコマーシャルや、高周波パルスでデサルフェーション効果を力説するステマ(ステルスマーケット)のユーチューブ動画が見受けられます。

本当に効果があるのでしょうか?

ここでは論拠を明確にするため、基本定義を再提示します。

A)基本定義(これが全ての出発点)

① 1周期(T)
T = TON + TOFF

*TON:パルス幅(ON時間)、TOFF:OFF時間

②周波数(f)
f = 1 / T

*単位:Hz(1秒あたりの周期数)

 デューティ比(D)
D = TON / T

*通常は%表示:D[%] = (TON / T) × 100


B)2つのパルスの例

「1秒間に15000回のパルス!」とうたっている充電器があるとします。

「すごい、なんだかサルフェーションに効きそうだなあ」と思う人が多いのではないでしょうか。 メーカーもそれを狙っているんでしょうが・・

二つのパルスを例にします。

TON(パルス幅):1 µs 、TOFF:65µs

・1周期(T)=1 + 65 = 66 µs
・周波数(f) =1 / 66µs ≈ 15.15 kHz
・ デューティ比(D)=1 / 66 ≈ 1.5 %


②TON(パルス幅):30µs 、TOFF:36µs

・1周期(T)=30 + 36 = 66 µs
・周波数(f) =1 / 66µs ≈ 15.15 kHz
・ デューティ比(D)=30 / 66 ≈ 45%


①、②ともに周波数は同じ15KHz。(1秒間に15000回のパルス)。

周波数が同じでも、パルス幅もデューティ比も全く違います。

「周波数」だけ見ても「パルス幅は全く分からない」、「デューティ比も全く分からない」。

周波数は「繰り返しの速さ」しか表していません。

デサルフェーションの効果は、周波数だけでは全く無意味なのです。




C)パルスとエネルギーの関係<デサルフェーションの核心>

(以下は概念を示す式です。)

①1周期あたりの投入エネルギー E₁ は:
E₁ ∝ V(電圧) × I(電流) × TON(パルス幅)

*・E₁:1パルスあたりのエネルギー
 ・∝:比例する

②1秒あたりの総エネルギー Eₛ は:
Eₛ ∝ V (電圧)× I(電流) × TON(パルス幅) × f(周波数=繰り返し回数)

*・Eₛ:1秒あたりのエネルギー


TON × f = D(デューティ比)
なので、
Eₛ ∝ V (電圧)× I(電流) × D(デューティ比)
とも言える。


【結論】
・周波数は直接エネルギーを決めない
・周波数は、 TON(パルス幅)、 D(デューティ比)を通じて間接的にしか影響しない。

∴(電圧 × パルス幅 × デューティ) > 周波数


D)化学反応から見た周波数の効果

ここにパルス周波数帯の区分をしめします。

2025-12-23パルス周波数帯区分01

*注)高周波~低周波に“絶対的な定義”はありませんが、化学反応が“違いとして認識できるかどうか”の視点で区分しています。


高周波数帯のµs~nsレベルのON/OFFは、化学反応から見れば「連続」。

物理的にはON / OFF は確かに存在しているが、鉛バッテリーの化学反応から見ると・・

【重要】バッテリー化学反応時間スケール:ms~秒オーダー

それに対して、高周波のµs~ns周期(= MHz~GHz)ではあまりにも速すぎる⇒反応が追従できない

結果として、ON/OFFを感じ取れず、平均化された電圧・電流として見える。

つまり”化学的には定電圧(連続印加)とほぼ同じ”。


下図は、低周波数帯と高周波数帯の充電器仕様を例としました。

2025-12-23周波数帯による仕様対比01

◇低周波パルス(意味を持つ)
・周波数:0.5~5Hz
・周期:200ms~2秒
・パルス幅:50 ~300ms
⇒極板反応が「ON → 休憩 → ON」を認識できる。
⇒軽度サルフェーションに影響を与える場合もある。

高周波パルス(パルスの意味が薄れる)
・周波数:15 kHz
・周期:66 µs
・パルス幅:1~20µs
⇒極板反応はON/OFFを区別できない、平均値としてしか感じない。
⇒デサルフェーション効果は限定的(新たなサルフェーションの抑制程度)

*周期が化学反応の時間スケールより十分短いと、パルスは「存在していても、反応には見えない」。


よくある誤解:「@@@@@回も叩けばサルフェーションが砕ける」!?
・・鉛硫酸反応は、機械的衝撃ではなく電気化学反応。 高周波(µs)パルスでは、結晶に応力がかかる前にOFF、イオン移動が始まる前にOFF。

⇒“叩いているつもり”でも、反応していない


E)高周波パルスを”売り”にするメーカーがあるのはなぜ?

①高周波パルスは、現代の充電器ならハードウェアの追加なしに、ソフトの制御だけで簡単に実現できてしまう。 新規コスト不要。

②高周波パルス(「1秒間に@@@@@回パルス!)と書けば、消費者にサルフェーションに効果があるように思わすメーカー側のマーケティング。



<①の補足>

①-1)現代の充電器には、ほぼ必ず次のものが備わっています。
(a) マイコン(または制御IC)
・タイマー機能を持つ
・PWM信号を出せる(これは標準機能)

(b)スイッチング素子(MOSFET など)
・ON/OFF を高速で切り替えられる
・すでに電流制御や保護目的で搭載されている

→この2つがあればPWMは“完成”

①-2)なぜ「ハード追加が不要」なのか
・・・PWMで周波数を変えるとは何をしているか?

マイコン内部のタイマー設定を変える。(実際にやっているのは、たったこれだけ)
例)
・1秒に10回 → 10Hz
・1秒に1000回 → 1kHz
・1秒に15000回 → 15kHz

* コード(ファームウェア)を書き換えるだけで、回路は一切変えていない。

 具体例で言うと、「1秒間に15000回のパルス」
・周期:約 66 µs :ON/OFF を 66 µs ごとに切り替えているだけ

これを実現するには、
・高速なマイコン? → 不要(数MHzで十分)
・特別な電源回路? → 不要
・追加の部品? → 不要

*既存PWMを高速化しただけ


<②の補足>
◇メーカー側のメリット
・ハードを変えずに差別化できる
・開発コストがほぼゼロ
・危険な高電圧を使わない(維持充電時13.6V前後のパルス)
・安全規格を取り直さなくてよい
・クレームリスクが低い

⇒「とりあえずPWMの周波数を上げて“高周波パルス!”と書くのが一番ラク。そしてサルフェーションに効果があるように消費者が思ってしまう効果を狙っている。」


∴高周波パルスだけでサルフェーションが除去できると思わす謳い文句を盲目的に信じないように。 内部抵抗が改善されたレビューのほとんどは、単に他の要因の充電効果があったから。


以上、
自分の知識向上のために 長々とこのバッテリーと充電器のお話を書いてきました。

まだその他に書きたかったこともあるのですが、普段のブログのネタがわんさか滞留してしまっているので、いったんこのシリーズは終了します。

「その他」は、また気が向いた時に追記するようにします。


2025-12-24くまモン感謝01 (1)


ps:本記事は自分の知識向上のために調べて作成したものです。 間違い等もあるかもしれません。ご承知おきください。



バッテリーと充電器のお話「Ⅳ-5-7-3)デューティ比について」

 前回記事の続きです。



<もくじ>
Ⅰ章 鉛バッテリーの構造
 1.バッテリーの構造概要
 2.極版について
   1)グリッド(格子)とは
   2)活物質(Active Material)とは
 3.セパレーターの構造と役割

Ⅱ章  鉛バッテリーが劣化する原因とそのメカニズム
 
1.サルフェーション(硫酸鉛PbSO₄の蓄積・結晶化・粗大化)
   1)サルフェーションの概要
   
2)サルフェーションの発生メカニズム
   
3)電圧が高いとサルフェーションが起きにくい理由

 2.グリッド(格子)の腐食・酸化(Ⅰ章と一部重複)
   1)
グリッド(格子)とは
   2)グリッド(格子)の主な役割
   3)材質と製造技術
   4)劣化との関係

 3.活物質の剥離・脱落(Ⅰ章と一部重複)
   1)活物質(Active Material)とは
   2)活物質(ペースト)の構成と役割
   3)ペーストの組成と製造
   4)活物質の反応メカニズム(放電時)
   5)活物質の劣化
   
 4.電解液の劣化・減少(電解質劣化)
        
1)電解液とは?
        
2)劣化・減少の主なメカニズム
        
3)対策のポイント

      4)硫酸濃度(比重)がバッテリーに与える影響


 5.セパレーター劣化とそのメカニズム
   1) セパレーター孔(ポア)の詰まり(Pore Blocking)
   2)セパレーターの酸化劣化(主に正極側)
   3) セパレーターの熱劣化・熱収縮
   4)活物質の脱落によるショートリスク増大(底部堆積物)
   5)セパレーターの極板密着性の変化(乾燥化)
   6)経年劣化での微小クラック・ピンホール
   7) どの極板を袋状セパレーターで包むかは“メーカーの設計思想で異なる”
   8)まとめ:セパレーターの劣化はバッテリー寿命の“最後の砦”

 6.温度・熱サイクルによる加速劣化
   1)化学反応速度の加速 
   2)電解液の蒸散・乾燥
   3)熱膨張・収縮による機械的ストレス
   4)過充電が起きやすくなる
   5)熱暴走(thermal runaway)のリスク増加
 
 7.劣化原因から導かれる対策

Ⅲ章 国産高品質バッテリと安価バッテリーの違い
 
1.バッテリー寿命に差が出る理由<GSユアサ  vs 台湾ユアサ vs 安価な中国製>
 2.サルフェーションの基本的な進行要因
 3.互換バッテリーでも違う内部構造
 4.偽物(粗悪コピー)バッテリーに要注意!
 5.(参考)購入バッテリーの選定方法(私の場合)


Ⅳ章 バッテリー充電器の違い
 1.バッテリーにあった充電器を選ぶ
   1)車両用バッテリーの種類
   2)バッテリーの種類による充電器にもとめられる条件
     (注1)VRLA(密閉型)の過電圧によるガス発生について
     
(注2)GELバッテリーの充電電圧と充電器について

 2.スマート充電器か否か
   1)
スマート充電器とは
   2)
特徴
   3)
3段階充電(Bulk → Absorption → Float)の目的と制御

   4)バルク(
Bulk)充電
   5)吸収(Absorption )充電
   6)高品質なスマート充電器と安価なCV充電器の違い

 3.
維持充電(トリクル充電/フロート充電)について
   1)フロート充電/トリクル充電の仕組み
   2)なぜフロート/トリクルの名称があいまいに使われるのか?
   3)維持充電の図形化(例)
   4)OptiMateの維持充電について
   5)補足:維持充電時の電流について

   4.充電時の電圧について
   1)吸収充電で12.72V(理論満電)より高い 14.2~14.7V を印加する理由
   2)維持充電において、前工程の吸収電圧から13.6V前後に降下して印加する理由
   3)6V鉛バッテリーの場合の適正電圧値

 5.パルス充電について  
   1)パルス充電の目的
   2)パルス充電の基本的な仕組み
   3)パルスの効果
   4)実際の充電器ではどう使われているか
   5)パルス充電の注意点(万能ではない)
   6)概要のまとめ
   7)パルスの種類と効果について
    7-1)パルス幅について
    7-2)印加電圧について
    7-3)デューティ比について
    7-4)周波数について

Ⅴ章 その他



・・徐々に書き上げていく予定なので、”もくじ”の内容は後日修正が入る可能性があります。



Ⅳ-
5.
7-3)デューティ比について


(1)デューティ比とは何か

⇒デューティ比とは、パルス
1周期の中で「どれくらいの時間“ON(電圧印加)しているか”の割合」

パルス充電は、<ON(電圧をかける)/OFF(止める)>を繰り返しています。

2025-12-18デューティー比の説明01
⇒デューティ比 は、1周期の中で ON が占める割合

イメージ図

1周期を 100% とすると、
ON:電圧がかかっている時間
OFF:0V(またはほぼ0)

【デューティ が小さい (例)10%の場合
】 → ほとんどOFF、たまにON

2025-12-18デューティー比の説明02デューティ10パーセント
・エネルギー小 (注:全体エネルギーはデューティ×電圧×パルス幅の関で決まる)


【デューティ が中程度 (例)50%の場合】 → ONとOFFが半々

2025-12-18デューティー比の説明02デューティ50パーセント
・エネルギー中 (注:全体エネルギーはデューティ×電圧×パルス幅の関で決まる)


【デューティ が大きい (例)80%の場合
】 → ほぼON、少しだけOFF

2025-12-18デューティー比の説明02デューティ80パーセント
・エネルギー大 (注:全体エネルギーはデューティ×電圧×パルス幅の関で決まる)
・全体エネルギー大は、サルフェーションに効果はあっても、過充電によるバッテリー内部のガス発生、電極損傷のリスクが高まる。


(2)パルス幅・周波数との数学的関係

デューティ比 = パルス幅 ÷ 周期(*)
   〃   = パルス幅 × 周波数

* 周期 = 1 / 周波数


パルス幅が同じでも→ 周波数が高ければデューティは大きくなる
・・上図を見てもらえばわかりやすいです。周波数が高い(=ON時が多い=OFF時が少ない)場合は、デューティは大きな割合になっている。

周波数が同じでも、 パルス幅を短くすればデューティは小さくなる。


ここで、パルスの重要構成要素である、電圧・パルス幅・デューティ比・周波数の相関関係はわかりやすい図を作ってみました。

これをご覧になっていただくと、さらに理解が深まると思います。


2025-12-19パルス幅デューティ電圧周波数関係図説明図最終版
周波数については、次項でも説明します。


◇ なぜデューティ比が重要なのか

デューティ比は、”バッテリーにどれだけエネルギーを与えるか” を直接決める要素だから。

前回サルフェーションに対する影響度を下記式で表しました。

(電圧 × パルス幅 × デューティ比)> 周波数

それぞれの要素をわかりやすく言い換えるとしたら・・
・電圧 → 反応の“閾値(しきいち)”を超える力
・パルス幅 → 1回の反応の“持続時間”
・デューティ比 → その反応をどれだけ繰り返し許すか=反応を許す時間割合
・周波数 → 時間軸の刻み方


(3)デューティ比と他要素の関係

①デューティ比と印加電圧の関係

2025-12-19デューティ比と印加電圧の関係


② デューティ比 とパルス幅の関係

・パルス幅が長い
→ 1回あたりのエネルギー時間が長い

・デューティ比が高い
→ 休憩時間が短い

∴デューティ比は、周期に対するON時間(パルス幅)の比率であり、結果としてOFF時間との時間配分を決定する。


③デューティ比 と周波数の関係

先程の図を再度示します。

2025-12-19パルス幅デューティ電圧周波数関係図説明図最終版
 周波数は”デューティ比を構成する要素の一部であり、周波数単独を挙げてエネルギーの大小(デサルフェーション効果)を言っても意味をなさないのがわかっていただけると思います。


サルフェーションへの影響度≒ 電圧 × パルス幅 × デューティ比(× 総処理時間)

・電圧が高くなると上図のピンク枠が縦方向に増え(面積が広がり)エネルギーが増します。

・パルス幅が広がるとピンク枠が横方向に増え(面積が広がり)エネルギーが増します。

・デューティ比が大きくなると、周期あたりのピンク枠が占める割合が増えます。

・しかし周期単位を短くしたとしても(周波数を高くしたとしても)、電圧/パルス幅/デューティ比が同じならピンク色の面積(=総エネルギー)に変化はありません。(同一の総処理時間で比較した場合)


(4)可変デューティと固定デューティ

市販充電器には・・
・固定デューティ比のものもある
・しかし本当に意味のあるパルス制御は「可変デューティ比」


①固定デューティ

◇固定デューティ比とは何か
・・ON時間とOFF時間の比率が 常に一定

⇒周波数が変わらなければ、投入エネルギーも一定

◇ 実装されやすい理由
・回路が簡単
・制御が不要
・安全側に振りやすい
・コストが低い

◇ 実際に多い例
・普及型パルス充電器
・「○万回パルス!」とだけ書いてある製品
・実質PWM制御の副産物

◇ 限界
・バッテリー状態を見ていない(監視→制御していない)
・劣化が軽くても重くても同じエネルギー
・効かないか、効かせすぎるかの二択

⇒サルフェーション除去という目的には不十分!


②可変デューティ

◇可変デューティ比とは何か
・・バッテリー状態に応じてON時間の割合を変化させる

⇒同じ電圧・パルス幅でも「効き」を変えられる

◇ 何が変えられるか
デューティ比を上げる(反応を促す)/下げる(休ませる)

◇ これが可能になる条件
・電圧応答のリアルタイム監視
・電流の微細制御
・温度監視
・時間積算

⇒制御アルゴリズムが必要

可変デューティを採用するには、制御するハードウェアのみならず経験と実験データに基づくアルゴリズムが必要になりコスト高になる。

仕様から見て、Optimate、CTEKあたりの充電器が、おそらく可変デューティを採用。


◇可変デューティによる制御例(バッテリー状態に応じたデューティ制御)

a)バッテリーの状態の監視項目=サルフェーションの“直接検出”ではない

2025-12-19可変デューティの監視項目01

b)デューティ比をどう変えているか(推定)

<軽度劣化の場合>
・電圧応答が素直、電流も流れる


デューティ比を下げる
無理をしない
・通常充電へ誘導



<中程度サルフェーションの場合>
・充電電圧を印加しても、端子電圧の上昇が鈍い
・内部抵抗が高く、電流が入りにくい

デューティ比を少し上げる
反応時間を延ばす
・ただし安全域内



<反応なし・危険兆候の場合>
・電圧だけが急上昇 (パルスのみ特有な動き・・詳細説明略)
・電流が流れない
・温度上昇

デューティ比を下げる or 中止


(5)最後に
デューティ比は、パルス幅同様に、そのメーカのノウハウの塊であり、設計上の重要項目なので公表されていません。

ー続く-

2025-12-19くまもん煙02


ps:本記事は自分の知識向上のために調べて作成したものです。 間違い等もあるかもしれません。ご承知おきください。

バッテリーと充電器のお話「Ⅳ-5-7-1~2)パルス幅、印加電圧」について 

前回記事では「Ⅳ-5-6)パルス充電の概要等」を説明しました。

今回は、「パルスの種類と効果」の<パルス幅>と<印加電圧>ついて書いていきます。




<もくじ>
Ⅰ章 鉛バッテリーの構造
 1.バッテリーの構造概要
 2.極版について
   1)グリッド(格子)とは
   2)活物質(Active Material)とは
 3.セパレーターの構造と役割

Ⅱ章  鉛バッテリーが劣化する原因とそのメカニズム
 
1.サルフェーション(硫酸鉛PbSO₄の蓄積・結晶化・粗大化)
   1)サルフェーションの概要
   
2)サルフェーションの発生メカニズム
   
3)電圧が高いとサルフェーションが起きにくい理由

 2.グリッド(格子)の腐食・酸化(Ⅰ章と一部重複)
   1)
グリッド(格子)とは
   2)グリッド(格子)の主な役割
   3)材質と製造技術
   4)劣化との関係

 3.活物質の剥離・脱落(Ⅰ章と一部重複)
   1)活物質(Active Material)とは
   2)活物質(ペースト)の構成と役割
   3)ペーストの組成と製造
   4)活物質の反応メカニズム(放電時)
   5)活物質の劣化
   
 4.電解液の劣化・減少(電解質劣化)
        
1)電解液とは?
        
2)劣化・減少の主なメカニズム
        
3)対策のポイント

      4)硫酸濃度(比重)がバッテリーに与える影響


 5.セパレーター劣化とそのメカニズム
   1) セパレーター孔(ポア)の詰まり(Pore Blocking)
   2)セパレーターの酸化劣化(主に正極側)
   3) セパレーターの熱劣化・熱収縮
   4)活物質の脱落によるショートリスク増大(底部堆積物)
   5)セパレーターの極板密着性の変化(乾燥化)
   6)経年劣化での微小クラック・ピンホール
   7) どの極板を袋状セパレーターで包むかは“メーカーの設計思想で異なる”
   8)まとめ:セパレーターの劣化はバッテリー寿命の“最後の砦”

 6.温度・熱サイクルによる加速劣化
   1)化学反応速度の加速 
   2)電解液の蒸散・乾燥
   3)熱膨張・収縮による機械的ストレス
   4)過充電が起きやすくなる
   5)熱暴走(thermal runaway)のリスク増加
 
 7.劣化原因から導かれる対策

Ⅲ章 国産高品質バッテリと安価バッテリーの違い
 
1.バッテリー寿命に差が出る理由<GSユアサ  vs 台湾ユアサ vs 安価な中国製>
 2.サルフェーションの基本的な進行要因
 3.互換バッテリーでも違う内部構造
 4.偽物(粗悪コピー)バッテリーに要注意!
 5.(参考)購入バッテリーの選定方法(私の場合)


Ⅳ章 バッテリー充電器の違い
 1.バッテリーにあった充電器を選ぶ
   1)車両用バッテリーの種類
   2)バッテリーの種類による充電器にもとめられる条件
     (注1)VRLA(密閉型)の過電圧によるガス発生について
     
(注2)GELバッテリーの充電電圧と充電器について

 2.スマート充電器か否か
   1)
スマート充電器とは
   2)
特徴
   3)
3段階充電(Bulk → Absorption → Float)の目的と制御

   4)バルク(
Bulk)充電
   5)吸収(Absorption )充電
   6)高品質なスマート充電器と安価なCV充電器の違い

 3.
維持充電(トリクル充電/フロート充電)について
   1)フロート充電/トリクル充電の仕組み
   2)なぜフロート/トリクルの名称があいまいに使われるのか?
   3)維持充電の図形化(例)
   4)OptiMateの維持充電について
   5)補足:維持充電時の電流について

   4.充電時の電圧について
   1)吸収充電で12.72V(理論満電)より高い 14.2~14.7V を印加する理由
   2)維持充電において、前工程の吸収電圧から13.6V前後に降下して印加する理由
   3)6V鉛バッテリーの場合の適正電圧値

 5.パルス充電について  
   1)パルス充電の目的
   2)パルス充電の基本的な仕組み
   3)パルスの効果
   4)実際の充電器ではどう使われているか
   5)パルス充電の注意点(万能ではない)
   6)概要のまとめ
   7)パルスの種類と効果について
    7-1)パルス幅について
    7-2)印加電圧について
    7-3)デューティ比について
    7-4)周波数について

Ⅴ章 その他



・・徐々に書き上げていく予定なので、”もくじ”の内容は後日修正が入る可能性があります。



Ⅳ-
5.7)パルスの種類と効果について

 巷では「パルスでサルフェーション除去!」と十把一絡げ(じっぱひとからげ)に語られていますが、パルス充電の効果は、印加電圧パルス幅デューティー比周波数によって大きく変わります。

【重要】
◇サルフェーションに影響を与える要素
・印加電圧
パルス幅
デューティー比
周波数

◇影響度
サルフェーションに与える影響は、「電圧」・「パルス幅」・「デューティ比」の積として決まる総投入エネルギー(および局所電気化学的ストレス)に強く依存し、周波数そのものの影響度は限定的である。

(電圧 × パルス幅 × デューティ)> 周波数


*デ・サルフェーションに一番影響度の低い「周波数」を高々にうたっている充電器メーカーがいかに多いことか!! この理由は後述します。


7-1)パルス幅について

(1)パルス幅とは何か
・・ここで言うパルス幅とは、1回のパルスで、電圧が印加されている「ON時間」を指します。
2025-12-14パルス幅の説明図A01
※ 周波数とは別概念です(=「どれくらい長く叩くか」)

(2)パルス幅による効果の違い

パルス充電の効果は、
・瞬間的な電界・電流による刺激
・その後のOFF時間での緩和・拡散
この両方のバランスで決まります。

⇒パルス幅は「どれだけ深く踏み込むか(1回のパルスで、どれだけの時間エネルギーを与えるか)」を決めるパラメータ!


(A)パルス幅が短い場合(マイクロ秒~数百µs)
◇特徴
・ON時間が非常に短い
・ピーク電圧が仮に高くても、エネルギー量は小さい

◇バッテリー内部で起きること
・表層の硫酸鉛結晶に軽い刺激
・電気二重層の充放電が主
・深部まではほとんど影響しない

◇効果の傾向
・サルフェーション進行の抑制
・軽度・初期サルフェーション向き
⇒∴ 既に硬化した結晶には弱い(デサルフェーション効果は微妙)

◇向いている用途
・維持充電
・新しい/健全なバッテリー
・長期接続前提の充電器
⇒サルフェーションを「削る」というより「成長させない」タイプのパルス


(B)パルス幅が中程度(数ms~数十ms)
◇特徴
・エネルギーが一気に増える(パルス幅短いに比べて)
・実用充電器で最も多い領域

◇バッテリー内部で起きること
・表層結晶が揺さぶられる
・電解液の局所濃度差が発生
・結晶の一部が反応系に戻る

◇効果の傾向
・軽度~中程度サルフェーションに有効
・回復した「ように見える」例が多い*

*「回復した「ように見える」例が多い。」
 厳密にいえば、反応に参加できなくなっていた硫酸鉛の一部を再び反応系に戻した状態であり、表層のサルフェーションは微細化・再反応化するものの、深部の硬化結晶は残存する。 そのため、効果は一時的(数週間~数か月)の性能改善にとどまるケースが多い

・バッテリーの個体差が最も顕在化する
⇒パルス充電における「個体差」とは、バッテリーごとに異なるサルフェーションの進行度・結晶構造・分布状態、ならびにそれ以外の劣化要因の組み合わせによって、パルス刺激に対する反応性が大きく異なることを指す。

◇向いている用途
・一般的な車・バイク用スマート充電器
・「回復モード」搭載機

⇒効果と安全性のバランス点と考えていい領域


(C)パルス幅が長い場合(数百ms以上)
◇特徴
・ほぼ「断続的な通常充電」に近づく
・1パルスあたりの投入エネルギーが大きい

◇バッテリー内部で起きること
・電流が十分立ち上がる
・局所発熱・ガス発生が起きやすい
・結晶だけでなく極板自体にストレス

◇効果の傾向
・重めのサルフェーションに一時的効果が出ることも
・極板腐食・活物質劣化のリスク増大
・AGM・小型バッテリーでは危険側

◇向いている用途
・監視付きの再生処理
・自動車用大型バッテリー
・メーカーが慎重に制限している領域

⇒「デサルフェーションに効く可能性はあるが、バッテリーを劣化さす可能性もある」最も設計が難しいゾーン


(3)なぜパルス幅だけで“性格”が変わるのか!?

・パルス幅=注入エネルギー量
・電圧が同じでも
 → パルス幅が10倍なら
 → ダメージポテンシャルも10倍

∴パルス幅で安全側/攻め側が決まる!

2025-12-14パルス幅による性格と効果の違い01


2025-12-14パルス幅による違い01

*サルフェーション除去に重要な影響を与えるパルス幅ですが、パルス幅は充電器の設計で 最も効果や安全性に直結する核心パラメータであり、充電器メーカーからはほとんど公表されていないようです。=設計者の”ノウハウ”


7-2) 印加電圧について

(1)印加電圧がサルフェーションに与える影響の概要

パルス幅は「
1回のパルスで、どれだけの時間エネルギーを与えるか」というものでした。

サルフェーション(PbSO₄結晶)は、「絶縁性が高い」、「反応開始電圧が高い」、「表層より深部ほど反応しにくい」という性質があります。

サルフェーションを抑制、除去するためには、一定以上の電圧を瞬間的にでも与えないと、
そもそも“反応が始まりません” 。

ここに「印加電圧」の重要性があります。

電圧は、「サルフェーション結晶に“刺激を与える強さ”」と言えます。


∴印加電圧は「反応の扉を開ける力」であり、パルス幅は「中に入って仕事をする時間」である。

この2つが揃って、初めてサルフェーションに“変化”が起きます。


(2)印加電圧による効果

 現在国内で販売されているパルス充電器の印加電圧を調べると、下記のように区分けできます。

(A)ピーク電圧22V前後帯・・OPTIMATE上位機種でピーク電圧22Vの印加
(B)14.4~15V前後帯・・普及機の通常充電電圧帯
(C)13.6V前後帯・・維持充電時の電圧帯


<今から書く内容の前提条件>
対象は主に12V系鉛蓄電池(開放・MF・AGM・ゲル)。 Li系(LiFePO₄等)は原則 非対象/非推奨。
・”効く/効かない”はバッテリーの劣化深度(可逆⇄不可逆)に強く依存する。
・”電圧だけ”では効果は決まらず、「パルス幅」、「デューティ」、「繰り返し回数(周波数×処理時間)」もあわせて重要になってきます。


(A)ピーク電圧 ≒ 22V 前後帯(OptiMate 上位機の回復モードが該当)
[主目的]
・中等度〜重度のサルフェーション(硬化結晶を含む)に対して“強制的に反応させる”こと。
・結晶破砕/化学的に再溶解させるのが狙い(いわゆる“強力なデサルフェーション”域)。

[バッテリー内で起きること]
・非常に高い電界が極板表面にかかる → 結晶や酸塊に強い電気化学的ストレスを与え、微細化・剥離を促す(うまく行けば反応に戻る)。

・同時に水分分解(ガス発生)や局所加熱、極板腐食が起こるリスクも内在する。⇒これらを回避するには、昇圧回路 ・高耐圧部品等のハードウエアと、電圧・パルス幅・デューティ・処理時間を含めた高度な制御マネジメントが不可欠となる。

[効果の期待値]
・条件付きで有効:サルフェーションが可逆寄り(硬化前〜中間層)で、活物質がまだ残っている場合に期待できる。

・一方で、極板剥離や活物質の喪失が進行している個体には無力。

[実装(一般の傾向)]
・ピークは22V前後。ただし常時連続印加はしない(短パルス or 短時間のピーク+長い休止)。

・電流は小さく(数百 mA~数A 程度に制限)して、総投入エネルギーを管理する。

・パルス幅は短く(ms〜100s ms・・メーカーにより異なる)、デューティ(注)は低め。


(B)14.4〜15.0V 前後帯(普及機の吸収~やや高め吸収帯)
[主目的]
・標準的なフル充電(吸収段階)と軽度の改善。日常使用での回復と充電完了を目的。
・設計的には「安全な範囲で効率良く充電する」ゾーン。

[バッテリー内で起きること]
・極板表面〜内部の通常の充電反応が進む。表層サルフェーションのごく軽い部分や分極は改善される。

・ガス発生はほとんどなく、電解液損耗の心配は小さい。

[効果の期待値]
・多数の普通劣化ケース(未完全充電・短距離走行など)に対しては効果がある。=充電効果。 ただし、サルフェーションを“除去”する力は限定的。

[実装(一般の傾向)]
バルク → 吸収の通常充電プロファイルが中心で、吸収段階では 14.4~14.8V 前後に電圧を制御しつつ、電流を徐々に低下させる方式が一般的。

この電圧帯で用いられるパルス制御は、22V帯の高電圧によって既存の硬化サルフェーションを積極的に崩すことを目的としたものではないが、充電反応を断続的に進めることで極板表層の反応性を保ち、サルフェーションの進行を抑制・遅延させる効果を持つ。

併せて、電流制御・過充電防止・充電状態監視を行うための 補助的なON/OFF制御として実装されるケースが多い。


(C)13.6V 前後帯(維持・フロート帯)
[主目的]
長期保管中の電圧維持(自己放電補填)と過充電防止。バッテリー寿命維持が主眼。

[バッテリー内で起きること]
・化学反応は最小限に抑えられ、過度のガス化・発熱は発生しない。
・表層のサルフェーションを「除去」するには電位が低すぎる。

[効果の期待値]
・防止(進行させない)には有効。⇒あらたなサルフェーションの抑制
・除去や回復を期待するのは不適切。

[実装(一般の傾向)]
・13.6V前後の一定電圧を印加し、自己放電などでバッテリー端子電圧が低下した際には、結果として微小な充電電流が流れ、電圧維持を行う(フロート充電)。

・この電圧帯では、出力制御の過程で パルス幅の短いON/OFF制御(PWM) が用いられることが多く、それにより充電反応を停滞させにくくし、新たなサルフェーションの発生や進行を抑制する効果が期待できる。


-デューティ比、周波数に続きますが、頭が爆発しかかっています。(^^; ー

2025-12-17くまモン頭火山爆発01


ps:本記事は自分の知識向上のために調べて作成したものです。 間違い等もあるかもしれません。ご承知おきください。

バッテリーと充電器のお話「Ⅳ-5.パルス充電について」

前回記事では「Ⅳ-4.充電時の電圧について」を説明しました。

今回は、”パルス充電について”について書いていきます。




<もくじ>
Ⅰ章 鉛バッテリーの構造
 1.バッテリーの構造概要
 2.極版について
   1)グリッド(格子)とは
   2)活物質(Active Material)とは
 3.セパレーターの構造と役割

Ⅱ章  鉛バッテリーが劣化する原因とそのメカニズム
 
1.サルフェーション(硫酸鉛PbSO₄の蓄積・結晶化・粗大化)
   1)サルフェーションの概要
   
2)サルフェーションの発生メカニズム
   
3)電圧が高いとサルフェーションが起きにくい理由

 2.グリッド(格子)の腐食・酸化(Ⅰ章と一部重複)
   1)
グリッド(格子)とは
   2)グリッド(格子)の主な役割
   3)材質と製造技術
   4)劣化との関係

 3.活物質の剥離・脱落(Ⅰ章と一部重複)
   1)活物質(Active Material)とは
   2)活物質(ペースト)の構成と役割
   3)ペーストの組成と製造
   4)活物質の反応メカニズム(放電時)
   5)活物質の劣化
   
 4.電解液の劣化・減少(電解質劣化)
        
1)電解液とは?
        
2)劣化・減少の主なメカニズム
        
3)対策のポイント

      4)硫酸濃度(比重)がバッテリーに与える影響


 5.セパレーター劣化とそのメカニズム
   1) セパレーター孔(ポア)の詰まり(Pore Blocking)
   2)セパレーターの酸化劣化(主に正極側)
   3) セパレーターの熱劣化・熱収縮
   4)活物質の脱落によるショートリスク増大(底部堆積物)
   5)セパレーターの極板密着性の変化(乾燥化)
   6)経年劣化での微小クラック・ピンホール
   7) どの極板を袋状セパレーターで包むかは“メーカーの設計思想で異なる”
   8)まとめ:セパレーターの劣化はバッテリー寿命の“最後の砦”

 6.温度・熱サイクルによる加速劣化
   1)化学反応速度の加速 
   2)電解液の蒸散・乾燥
   3)熱膨張・収縮による機械的ストレス
   4)過充電が起きやすくなる
   5)熱暴走(thermal runaway)のリスク増加
 
 7.劣化原因から導かれる対策

Ⅲ章 国産高品質バッテリと安価バッテリーの違い
 
1.バッテリー寿命に差が出る理由<GSユアサ  vs 台湾ユアサ vs 安価な中国製>
 2.サルフェーションの基本的な進行要因
 3.互換バッテリーでも違う内部構造
 4.偽物(粗悪コピー)バッテリーに要注意!
 5.(参考)購入バッテリーの選定方法(私の場合)


Ⅳ章 バッテリー充電器の違い
 1.バッテリーにあった充電器を選ぶ
   1)車両用バッテリーの種類
   2)バッテリーの種類による充電器にもとめられる条件
     (注1)VRLA(密閉型)の過電圧によるガス発生について
     
(注2)GELバッテリーの充電電圧と充電器について

 2.スマート充電器か否か
   1)
スマート充電器とは
   2)
特徴
   3)
3段階充電(Bulk → Absorption → Float)の目的と制御

   4)バルク(
Bulk)充電
   5)吸収(Absorption )充電
   6)高品質なスマート充電器と安価なCV充電器の違い

 3.
維持充電(トリクル充電/フロート充電)について
   1)フロート充電/トリクル充電の仕組み
   2)なぜフロート/トリクルの名称があいまいに使われるのか?
   3)維持充電の図形化(例)
   4)OptiMateの維持充電について
   5)補足:維持充電時の電流について

   4.充電時の電圧について
   1)吸収充電で12.72V(理論満電)より高い 14.2~14.7V を印加する理由
   2)維持充電において、前工程の吸収電圧から13.6V前後に降下して印加する理由
   3)6V鉛バッテリーの場合の適正電圧値

 5.パルス充電について  
   1)パルス充電の目的
   2)パルス充電の基本的な仕組み
   3)パルスの効果
   4)実際の充電器ではどう使われているか
   5)パルス充電の注意点(万能ではない)
   6)概要のまとめ
   7)パルスの種類と効果について
    7-1)パルス幅について
    7-2)印加電圧について
    7-3)デューティ比について
    7-4)周波数について

Ⅴ章 その他



・・徐々に書き上げていく予定なので、”もくじ”の内容は後日修正が入る可能性があります。



Ⅳ-
5.パルス充電について  

自動車/バイク用充電器のおけるパルス充電について説明します。

1)パルス充電の目的

 パルス充電は、鉛バッテリーにおけるサルフェーション(注1)の進行を抑制または軽減することを主目的とし、その結果としてバッテリー寿命の延長や、サルフェーションが主因である場合に限り性能の一部回復が期待できる充電方式である。

 特に鉛バッテリー(開放型・MF・AGM・ゲルなど)では、長期間の放置や不完全充電によって極板に硫酸鉛の硬い結晶(サルフェーション)が付着します。
これが内部抵抗増加・容量低下の大きな原因になります。

パルス充電は、このサルフェーション対策として使われます。


(注1)サルフェーションについては、以下のリンクを参照
↓↓↓






2)パルス充電の基本的な仕組み

通常充電とパルス充電の違い
・通常充電 → 一定の電圧・電流を連続的に流す
・パルス充電 →  電圧/電流を「ON(流す)/OFF(止める)」、「強/弱」といった形で”断続的(パルス状)に与える。

[パルスのイメージ図]

A)電圧視点(充電器側の制御動作のイメージ)
2025-12-14パルスのイメージ図01
(補足)
充電器が、「電圧を印加する」→「電圧を止める」を繰り返している様子を表したイメージ図


B)電流視点

2025-12-14パルスのイメージ図02
(補足)
電圧が印加された結果として、バッテリー内部に流れる電流が 立ち上がり・減衰を伴って変化する様子を表したイメージ図


◇パルス充電とは、充電器がバッテリーに対して電圧の印加と遮断、または電圧レベルの切り替えを周期的に行い、その結果としてバッテリー内部に断続的な充電電流を発生させる充電方式。


3)パルスの効果

(1) サルフェーションへの作用
・硫酸鉛の結晶は硬くて溶けにくい
・通常の低電流・連続充電では分解されにくい

パルス充電では、
・瞬間的に高めの電圧・電流がかかる
・電極表面に電界の変化・微振動が生じる
 → 結晶が細かくなり、再び化学反応に参加しやすくなると考えられている
||
◇硫酸鉛結晶の成長抑制
◇既に形成された結晶の微細化・再反応化

※ 完全に元通りになるわけではありませんが、「進行を止める」「軽度なら改善する」効果が期待される。 ←ココが誤解されがち。(充電器コマーシャルの過大表示を信用しすぎ)

(2)内部抵抗の低減
・パルスによって極板表面の反応が活性化
・電解液の拡散も促進される→ 結果として内部抵抗が下がりやすい

(3)発熱・ガス発生の抑制
・連続で電流を流さないため、バッテリーの過熱、電解液の過剰なガス化を抑えやすい。
特に小型のバイク用バッテリーではメリット。


4)実際の充電器ではどう使われているか

市販のスマート充電器では、多くの場合・・
①充電初期:パルス充電+定電流(バルク充電)
②充電中期: 定電圧制御(吸収充電)
③満充電付近:→ パルスまたはトリクル(維持)充電
といった形で、パルスは単独ではなく制御の一部として組み込まれています。


5)パルス充電の注意点(万能ではない)
①グリッド腐食、活物質剥離、短絡、容量減等が原因の劣化バッテリーには、パルス充電では回復不可。

②効果には個体差*が大きい。
・・パルス充電における「個体差」とは、バッテリーごとに異なるサルフェーションの進行度・結晶構造・分布状態、ならびにそれ以外の劣化要因の組み合わせによって、パルス刺激に対する反応性が大きく異なることを指す。

③過剰な高電圧パルスは逆にダメージになる場合もある。
・・過剰な高電圧パルスはバッテリーにダメージを与える可能性があり、またバッテリーの劣化状態やサルフェーションの進行度には大きな個体差が存在し、さらに回復不可能な劣化領域も存在するため、これらを考慮した結果、メーカーごとにパルス幅・周波数・電圧(次項で詳細説明)の設計は大きく異なっている。

④リチウムイオン(LiFePO₄)バッテリーには使用不可 !!  
 ・・LiFePO₄には、サルフェーションという劣化現象はおこらない。  鉛バッテリー向けのパルスはLiFePO₄が搭載する   BMS動作(バッテリーマネジメントシステム)やバッテリー破損の原因となる可能性がある。 ⇒鉛バッテリー向け充電器をリチウムイオン(LiFePO₄)バッテリーに印加するのは御法度!!


6)概要のまとめ
◇パルス充電とは: 電流/電圧を断続的に与える充電方式

◇目的: サルフェーション抑制・除去(→寿命延長、軽度回復)

◇効果の仕組み: 瞬間的な刺激で極板反応を活性化

⇒万能ではないが、鉛バッテリーには有効な技術

2025-12-14くまもんオシロスコーフ01

次回は「7)パルスの種類と効果について」について説明します。

-続く-


ps:本記事は自分の知識向上のために調べて作成したものです。 間違い等もあるかもしれません。ご承知おきください。



バッテリーと充電器のお話「Ⅳ-4.充電時の電圧について」

前回記事では「Ⅳ-3.5)補足:維持充電時の電流について」を説明しました。

今回は、”充電時の電圧”についてのお話です。




<もくじ>
Ⅰ章 鉛バッテリーの構造
 1.バッテリーの構造概要
 2.極版について
   1)グリッド(格子)とは
   2)活物質(Active Material)とは
 3.セパレーターの構造と役割

Ⅱ章  鉛バッテリーが劣化する原因とそのメカニズム
 
1.サルフェーション(硫酸鉛PbSO₄の蓄積・結晶化・粗大化)
   1)サルフェーションの概要
   
2)サルフェーションの発生メカニズム
   
3)電圧が高いとサルフェーションが起きにくい理由

 2.グリッド(格子)の腐食・酸化(Ⅰ章と一部重複)
   1)
グリッド(格子)とは
   2)グリッド(格子)の主な役割
   3)材質と製造技術
   4)劣化との関係

 3.活物質の剥離・脱落(Ⅰ章と一部重複)
   1)活物質(Active Material)とは
   2)活物質(ペースト)の構成と役割
   3)ペーストの組成と製造
   4)活物質の反応メカニズム(放電時)
   5)活物質の劣化
   
 4.電解液の劣化・減少(電解質劣化)
        
1)電解液とは?
        
2)劣化・減少の主なメカニズム
        
3)対策のポイント

      4)硫酸濃度(比重)がバッテリーに与える影響


 5.セパレーター劣化とそのメカニズム
   1) セパレーター孔(ポア)の詰まり(Pore Blocking)
   2)セパレーターの酸化劣化(主に正極側)
   3) セパレーターの熱劣化・熱収縮
   4)活物質の脱落によるショートリスク増大(底部堆積物)
   5)セパレーターの極板密着性の変化(乾燥化)
   6)経年劣化での微小クラック・ピンホール
   7) どの極板を袋状セパレーターで包むかは“メーカーの設計思想で異なる”
   8)まとめ:セパレーターの劣化はバッテリー寿命の“最後の砦”

 6.温度・熱サイクルによる加速劣化
   1)化学反応速度の加速 
   2)電解液の蒸散・乾燥
   3)熱膨張・収縮による機械的ストレス
   4)過充電が起きやすくなる
   5)熱暴走(thermal runaway)のリスク増加
 
 7.劣化原因から導かれる対策

Ⅲ章 国産高品質バッテリと安価バッテリーの違い
 
1.バッテリー寿命に差が出る理由<GSユアサ  vs 台湾ユアサ vs 安価な中国製>
 2.サルフェーションの基本的な進行要因
 3.互換バッテリーでも違う内部構造
 4.偽物(粗悪コピー)バッテリーに要注意!
 5.(参考)購入バッテリーの選定方法(私の場合)


Ⅳ章 バッテリー充電器の違い
 1.バッテリーにあった充電器を選ぶ
   1)車両用バッテリーの種類
   2)バッテリーの種類による充電器にもとめられる条件
     (注1)VRLA(密閉型)の過電圧によるガス発生について
     
(注2)GELバッテリーの充電電圧と充電器について

 2.スマート充電器か否か
   1)
スマート充電器とは
   2)
特徴
   3)
3段階充電(Bulk → Absorption → Float)の目的と制御

   4)バルク(
Bulk)充電
   5)吸収(Absorption )充電
   6)高品質なスマート充電器と安価なCV充電器の違い

 3.
維持充電(トリクル充電/フロート充電)について
   1)フロート充電/トリクル充電の仕組み
   2)なぜフロート/トリクルの名称があいまいに使われるのか?
   3)維持充電の図形化(例)
   4)OptiMateの維持充電について
   5)補足:維持充電時の電流について

   4.充電時の電圧について
   1)吸収充電で12.72V(理論満電)より高い 14.2~14.7V を印加する理由
   2)維持充電において、前工程の吸収電圧から13.6V前後に降下して印加する理由
   3)6V鉛バッテリーの場合の適正電圧値


 5.パルス充電について  
   1)パルス充電の目的
   2)パルス充電の基本的な仕組み
   3)パルスの効果
   4)実際の充電器ではどう使われているか
   5)パルス充電の注意点(万能ではない)
   6)概要のまとめ
   7)パルスの種類と効果について
    7-1)パルス幅について
    7-2)印加電圧について
    7-3)デューティ比について
    7-4)周波数について

Ⅴ章 その他



・・徐々に書き上げていく予定なので、”もくじ”の内容は後日修正が入る可能性があります。





Ⅳ-4.充電時の電圧について

 12Vバッテリーの理論上の開放電圧は、2.12V/セル×6セル=12.72Vです。 なぜ吸収充電でそれ以上の14.2~14.7V前後の印加をするのか?

また維持充電(フロート/トリクル)に移行した際の印加電圧は、なぜ13.6V前後なのか?

不思議? 何故!? 調べました。


1)吸収充電で12.72V(理論満電)より高い 14.2~14.7V を印加する理由

結論
14.@V(=各セル 2.4@V)は、鉛バッテリーを“実際に化学的満充電”にするために必要な、
・化学反応速度
・濃度勾配の解消
・内部極板の完全変換
が適切に進む電圧として、経験的・実験的に最適値として決まった電圧だから。

「理論上 12.72V = 100%」は静止時の電圧であり、充電のために必要な“駆動力(overvoltage=過電圧)”を含まないため、この電圧では充電電流が十分に流れず、内部まで満充電にならない。


◇理由①:化学反応には“駆動力”が必要 → 12.72Vでは電流がほぼ流れない。
鉛バッテリーの充電とは、PbSO₄(硫酸鉛) → Pb + PbO₂ に戻す反応。 

これは自発的には進まず、外部から電圧をかけて押し戻す必要がある。
開放電圧(12.72V)は 「反応が止まった状態の平衡点」
そこに 12.72V をそのまま印加しても、正味電流はほぼゼロ

“オームの法則上の満電圧”と“充電に必要な電圧”は違う。

これはどんな化学電池でも同じで、充電には必ず「過電圧」が必要。

◇理由②:14.2~14.7Vは「過電圧としてちょうどいい値」
 約 2.30~2.45 V/セル(全体で 13.8~14.7V)が反応速度が十分で、ガス発生もまだ許容内という実験結果が世界的に確立している。

14.4V = 2.40V/セルあたりがバランスが良い値とされている。

◇理由③:端子電圧は“表面の状態”であって、内部が追いつくには時間がかかる。
 端子電圧はあくまで「表面電位」なので、内部が満たされていなくても、12.7Vなどにはすぐ達する。

だから12.7Vに達しても、内部のSO₄⁻(硫酸イオン)の変換はまだ終わっていない。

CV 14.4Vで吸収(Absorption)を続けることで、微小電流が内部の濃度勾配を均等化し、極板の孔の奥まで充電反応を終了させる。


◇理由④:メーカーにより 14.2V〜14.8V と多少違う理由
主に3つの要因:
(a) バッテリーの種類
液式:14.4~14.8V
AGM:14.4V前後
GEL:14.1~14.2V(ガス発生しやすいため)

(b) 温度補正
電圧は温度によって ±0.03V/セル 程度変わるため、
実際は 14.1~14.7V くらいの範囲が許容。

(c) メーカーの哲学(寿命重視か、性能重視か)
寿命重視 → 低めの 14.2~14.4V
性能(SO₄除去・回復)重視 → 14.6V 付近


12.72V は“満充電の静止電圧”であり、充電に必要な“駆動力”を含まない。駆動力を与えるためには、外部から電圧をかけて押し戻す必要がある。その最適値が14.2~14.7V。


2)
維持充電において、前工程の吸収電圧14.@Vから13.6V前後に降下して印加する理由

結論
14.2~14.7Vは「充電を進めるための高電圧(CV吸収)」
・13.6V前後は「満充電を保つための安全電圧(フロート)」

⇒目的が違うため、電圧も変えている。

(1)14.2~7Vは “充電を進めるため” の電圧
吸収充電の14.2~14.7Vは、「電流を押し込むため”の上限電圧」

満充電に近づくと電流が自然に減り、1/10C以下 → 1/20C(注1:末尾記載)以下へと下がっていく。

(2)14.@Vを長時間続けるとバッテリー劣化が進む
・過剰なガス発生(酸素・水素)
水分蒸散→比重上昇→劣化加速
正極板の腐食
温度上昇 等

14.2~14.7Vは“充電を進めるためには必要だが、維持には強すぎる”。

(3)満充電後は「ほぼ自己放電を補うだけ」でよい

 鉛バッテリーは満充電状態では、内部電流はほぼゼロ。 必要なのは “数 mAレベルの補償電流だけ”(自己放電分)。

この自己放電を補うには 14.@Vはまったく必要ない。むしろ有害。
(昔の14.7~14.8vのまま定電圧で充電を続けるような充電器で長時間充電するとバッテリー劣化を引き起こす要因となる)

(4)  13.6〜13.8Vが最適という実験結果(電気化学的な理由)
バッテリーメーカー(GS Yuasa、Exide、Enersysなど)の研究結果から、満充電維持における最適値は 13.5〜13.8V とされている。

理由:
 過剰なガス発生がほとんど起きない
14Vを超えるとガス反応が顕著になるため、13.6V前後は化学的に安全圏。

② 自己放電を完全に補える(数mA流れる)
13.2V以下だと自己放電に追いつけず徐々に劣化。

③電極(プレート)腐食が最小になる
電圧が高いほど腐食が進むので、低めが望ましい。

⇒”劣化を最小化しつつ、満充電を維持できる電圧”が13.6V付近ということ。

【まとめ】

2025-12-13吸収維持電圧最適値の理由01a

つまり 吸収(CV)と維持(フロート)では目的が違うため、設定電圧も必然的に変わる。

満充電バッテリーは静置すると「開放電圧 12.7~12.8V」で安定する。

ここに、
13.6Vをかける → 電流はわずかに正方向へ流れ続ける(数mA)
14.4Vをかける → 100mA〜300mA単位で余計な電流が流れ、劣化促進

この差が 寿命に影響するため、維持は低電圧にする必要がある。


3)6V鉛バッテリーの場合の適正電圧値

6V鉛バッテリーの
理論満充電(開放電圧)=2.12V×3セル 6.36V

(1)通常充電電圧(バルク~吸収): 7.2~7.35V(25℃基準)

(2) 維持充電(フロート)電圧: 6.6~6.9V(25℃基準) 

2025-12-13_6Vバッテリーの最適電圧01




*(注1)
「C(シー)」=バッテリー容量(Ah)を基準にした電流の単位
・1C(ワン・シー)= バッテリー容量(Ah)と同じ値の電流
・0.1C(1/10C)   = 容量の 1/10 の電流
・0.05C(1/20C)    = 容量の 1/20 の電流

 ー具体例ー
(7Ah のバイク用バッテリーの場合)
表記      実際の電流値
1C        7A
0.5C      3.5A
0.1C(1/10C)  0.7A
0.05C(1/20C)  0.35A


今回の記事はここまでです。

ようやくこのシリーズの終わりが見えてきました。(^^;

あたいのポンコツ頭から火が出だしました・・

2025-12-13くまモン頭から火01


-続く-

ps:本記事は自分の知識向上のために調べて作成したものです。 間違い等もあるかもしれません。ご承知おきください。



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